11月になってから,プランターのミニバラの花が増え始めました。
あとからあとから花が咲いてきます。
寒くなればなるほど増えるようです。
バラは5~6月と勝手に決めていたので,肥料も与えないし,手入れもしていません。
妻が毎朝水をあげているだけです。
不思議です。
4年前,妻がミニバラがほしいというので,赤とピンクの小さな鉢植えを買ってきました。
そのころ住んでいたアパートは,防犯のためにベランダのフェンスが高く,植木鉢を置いてもあまり日が当たりません。
妻は花が大好きでも,水をかけることしか世話ができず,私は花の知識がほとんどないので,小さな花を買ってきては枯らしていました。
妻は大喜びで,毎朝水をかけていました。
私は,今度こそ枯らさないようにと,肥料や殺虫剤を買ってきたりしました。
でも,1年後の春には花が咲かなくなり,秋には全体が茶色になって,立ち枯れてしまいました。
それでも妻は,毎朝欠かさず水をかけていました。
冗談のようですが,雨の日も水をやっていました。
かけた水がすぐに氷るほど寒い朝にも,水をやっていました。
枯れてるんだから,もうやめたらどうだと私が言っても
「きっと咲くもん」
と言って,やめようとしません。
次の春。
朝,私が出勤前の身支度をしていると
「咲いたよ~!」
と,妻の嬉しそうな声がしました。
まさか,枯れたバラに花が咲いたの?と思って見に行くと,
そこには,黄色い花が・・・
「これ,タンポポじゃないか」
「え~?」
「バラじゃないことぐらい,見てわからないのか?」
「・・・」
「もう,バラは終わったんだよ。タンポポを育てるか?」
「や〜だ,タンポポ取ってよ。きっとバラが咲くんだから」
この自信がどこから湧いてくるのかわかりませんでしたが,普段の気晴らしが 散歩ぐらいしかない 妻の楽しみになるならいいかと,タンポポを抜いてやりました。
そして,立ち枯れてから1年後,本当にバラの花が咲いたのです。
それは,赤でもピンクでもなく,白いバラでした。栄養が足りないという感じでした。
急いで肥料を買ってきました。
そのうち,一つ,二つと,色のついた花が咲き始めました。
「すごいな。お前の勝ちだな」
私が言うと,妻は嬉しそうに
「ね~,咲いたでしょ?」
と,笑いました。
それから,このミニバラは,季節に関係なく,いつも花を咲かせています。
どんな時にも,一つは咲いています。
そして,時々思い出したようにたくさん咲き始めるのです。
不思議なバラです。
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