もうDVDが擦り切れるほど(擦り切れない)繰り返し観た名作だが,ブルーレイ版が出ていたので購入。
もしかしたら,私は「七人の侍」よりもこっちの方が好きかも,日本映画でいちばん好きかもしれない。
「八甲田山」と同じスタッフなので,オープニングは同じような雰囲気。
野村芳太郎・橋本忍はこのあたりがキャリアのピークではないだろうか?
音楽を聴くだけで泣きそうになる。
丹波哲郎の落ち着いた演技がいい。晩年は,霊界代表の変な人というイメージが定着してしまったが,立派な役者だ。
森田健作の,清潔感溢れる若々しさがいい。
緒形拳の,愛敬のある優しさは,この人独特のものだ。
そして,加藤嘉!
息子と二人の旅立ちから,息子をかばおうとしたのか「そんな人,知らねえ!」と叫ぶ終盤まで,涙なしでは観られない。
もちろん,芥川也寸志の音楽なしでは,この映画は成立しない。
森田「和賀は,父親に会いたいんでしょうね」
丹波「そんなこと,決まっとる!彼は今,父親に会ってるんだ」
終盤まで観てくると,犯人の動機や心情は ややこしくて理解できなくなるのだが,そんなことはどうでもいいのだ。
論理よりエモーションを優先するのが,橋本忍の真骨頂だ。
名作です。
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